【猫背の原因は“背中”じゃない】その姿勢、実は“下半身”から崩れているかもしれません

猫背の原因は背中ではなく“足元”にあった?重心とトルクによる姿勢制御メカニズムから、猫背の本質と、Structural Integrationによる根本的な改善法を解説します。

はじめに:その「猫背」、背筋のせいだと思っていませんか?

ふとした瞬間、鏡に映った自分の姿にギョッとしたことはありませんか?
背中が丸まり、頭が前に出た「猫背」の姿勢。
「これはまずい」と思って背中を伸ばしてみても、時間が経てば元に戻ってしまう…。

そんな悩みを抱える人はとても多いです。

よく「猫背は背筋の弱さが原因」と言われます。
でも実はそれ、“本当の原因”ではないかもしれません。

猫背の根本原因は、背中ではなく──
下半身の筋膜や構造バランスの乱れから始まっていることがあるのです。


姿勢は「重心 × トルク」で成り立っている

人の身体は、単に骨や筋肉で積み上げられているわけではありません。
立っているときも座っているときも、私たちは**“重心の位置を変えずに”、前後のトルク(回転力)を釣り合わせて**姿勢を保っています。

ここで重要なポイントは:

  • 下半身重心を支点とした「後方トルク」
  • 上半身重心を支点とした「前方トルク」

この2つのトルクが拮抗することで、重心を中心に安定した姿勢を作っているのです。

つまり、
👉 体は“重心を動かす”のではなく、“重心を支点”としてトルクで姿勢を制御している
👉 そのため、非常に効率的に立ったり動いたりできるという仕組みになっています。


猫背は“下肢のトルクの崩れ”から始まる

ここで問題です。
もし下肢(とくに骨盤・股関節・脚まわり)の筋膜や関節が機能低下し「後方トルク」が過剰なっていたら…?

たとえば:

  • 骨盤後傾を戻せない
  • 太もも裏やふくらはぎの筋膜が硬く膝が伸びない

このような状態になると、身体はその過剰な後方トルクを打ち消すために
👉 上半身を“前に丸める”(=猫背)というトルクでバランスを取ろうとするのです。

つまり、
猫背は背中の筋力が弱いせいではなく、
👉 「下肢側のトルクの崩れに対する“代償”」として生まれている可能性が高いのです。


よくある誤解:「背中を伸ばせば猫背は治る」は本当?

多くの方が、猫背を直そうとして

  • 背中を反らせる
  • 肩甲骨を寄せる
  • 背筋を鍛える

…といった方法を試します。
しかし、これは結果として出ている“姿勢”を直接操作しているだけで、
本来の“原因”にはアプローチできていないのです。

重心を支えるトルクバランスが崩れている状態で無理に姿勢を正すと、
むしろ首・腰・肩に過剰な負荷がかかることもあります。


下肢から整える:根本改善の第一歩

本質的に猫背を改善したいなら、
まず見直すべきは「足元」です。

特に重要な部位は:

  • 太もも裏(ハムストリングス)の柔軟性と筋膜の滑走
  • 骨盤の前後傾バランス(過度な後傾に注意)
  • 足関節の柔軟性とアライメント

これらが整えば、下肢からのトルクの出力が正常化され、
それに対する“代償としての猫背”が不要になっていく
のです。


✅ Structural Integration(S.I)という選択肢

私たちの身体は、単なるパーツの集まりではなく
**筋膜ネットワークによって統合された“ひとつの構造体”**として機能しています。

Structural Integration(構造的統合)」は、
この全身のつながりに着目し、身体を“パターンごと再教育”するアプローチです。

S.Iでは、猫背のような姿勢の崩れを、
背中の問題としてではなく、“全体の構造バランスの乱れ”として捉え直します

  • 身体全体の重心とトルクの調和を目指す
  • 痛みに頼らず、神経・筋膜・動きの“統合”を促す
  • 「真っ直ぐに立つ」ではなく、「無理なく立てる身体」へと導く

👉 猫背を“見た目”で変えるのではなく、
👉 猫背にならない構造そのものを再構築する

それがStructural Integrationの視点です。


おわりに|「背中を伸ばす前に、足元を整えよう」

猫背は、背筋が弱いからではありません。
重心を支点にした前後のトルクバランスが崩れている──それが、本質的な原因になることがあります。

そしてその崩れは、往々にして下半身から始まっているのです。

だからこそ、
👉 背中を無理に伸ばす前に、まず“足元”を整えてみてください。
👉 身体は変えられます。正しく整えれば、自然と姿勢も変わります。

Structural Integrationで、猫背にならない身体構造そのものをやさしく取り戻していきましょう。

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