座っているだけ、立っているだけなのに痛みがある方は、一箇所の筋肉や筋膜を過剰に使っている代償的な姿勢保持をしています。では、なぜ自分自身で身体の歪みや代償的な姿勢保持に気づくことができないのでしょうか?
身体への気づきについて考えてみたいと思います。
気づけなくなる原因
私たちの脳は、自分の身体を感覚情報から「環境に対して自分の身体がどうなっているのか」を把握しています。
また身体(姿勢)を把握するためには、心理学者のj.jギブソンは、「私たちは動くために知覚するが、知覚するためにはまた動かなければならない」といってるように、私たちは動くことで生まれる感覚から環境に対する自分の状態を把握します。
そのため、動きが無い部位は感覚が生まれないため、身体の状態を知覚することができなくなってしまいます。
動けなくなる原因
姿勢保持の優先順位
姿勢を保持していて一番に優先されることは、「真っ直ぐ立つ」とか、「楽に立てる」といったことではありません。
環境に対して自分の身体のバランスを崩さないこと(支持基底面内いに重心を収めること)が優先されます。
過去の経験の中で得られた感覚情報から一番安定した姿勢を選択します。そのため、バランスが保たれていれば捻れていようが代償的な姿勢であろうが安定した姿勢を取り続けます。
痛みに伴う固定
炎症や外傷によって生じる痛みは、その周囲の部位が動かないように筋肉や筋膜を固定させます。炎症や外傷が治っても筋肉や筋膜の固定が続いてしまうと、その部位の動きが無くなり感覚が生まれ無いため知覚されなくなります。
気づくためには
普段取らない姿勢をとる
環境に対して動くことで自分の身体を知覚することができます。普段取らない、うつ伏せや四つ這い、膝立ちなどの姿勢をとることで、床面に対する自分の身体を感じることができ、身体のねじれや歪みを知覚することができます。
呼吸で知覚する
呼吸も身体の内から始まる動きです。大きく深呼吸をすることで、胸郭の広がりから床面、空間に対する身体を感じることができ、身体のねじれや歪みを知覚することができます。また、床の上に仰向けになり大きく呼吸をすることで、床面に対する自分の身体を知覚することができます。
多くの方は身体のねじれや歪みに気づくことで姿勢の変化が見られてきます。しかし、身体の状態を感じられても姿勢に変化が見られない方は、筋膜による制限があります。Structural
Integrationは筋膜の解放と共に、効率的な姿勢保持を可能にします。