姿勢と記憶
何かを記憶するときに、その時の出来事や感情を記憶しますが同時に感覚(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・圧覚・位置覚・前庭感覚)も記憶をしています。
何かを見たり(視覚)、聞いたり(聴覚)して出来事を思い出すのと同様に、姿勢から生まれる感覚(触覚、圧覚、位置覚・ 前庭感覚)からも思い出す事があります。
一般的に、前のめりの姿勢は「注意や興味を示した姿勢」、後ろへ引いている姿勢は「否定や拒否を示した姿勢」、胸を広げている姿勢は「自信を示した姿勢」、肩を落とし、頭を垂れている姿勢は「落胆を示した姿勢」と言われています。
そのため、猫背のような背中を丸めた姿勢は落胆した記憶を想起しやすく、マイナス思考や気分が晴れない状況を作りやすくしてしまいます。
また、反射や発達の過程から考えても背中を丸めた姿勢は気分が晴れない原因となります。
気持ちと反射
恐怖や不安、危険を感じた時に、とっさに身を守るため全身を丸める反応をとります。
そのため、普段から体を丸めている姿勢をとっていると恐怖や不安、危険を感じた記憶を想起しやすくなり、気持ちが晴れない原因になっているかもしれません。
気持ちと発達
人がまだ言葉を持たない動物に近い時、無駄な争いを避けるために身を低く、小さくした姿勢は相手にひれ伏すことを示しました。現在にも目上の人、位の高い人への挨拶にはこの傾向が見られています。
そのため、猫背のように体を小さくさせていると自信が持てなかったり、
積極的になれないマイナス思考を作ってしまうかもしれません。
動作と記憶
最後に動作と記憶についてドイツのマックス・プランク研究所の研究論文によると動作の方向と記憶の関係性について書かれています。
上向きの動作を行っている時はポジティブな記憶を思い出しやすくなり、下向きの動作を行っている時はネガティブな記憶を思い出しやすくなるという結果が出ています。
日常生活で下向きに行っている動作を上向きに変えてみると、少し気持ちに変化があるかもしれませんね。
姿勢は筋膜で決められてしまうため、効率的に姿勢を変えるにはStructural Integrationをお勧めします。